9種類の織りの帯と「格」

人物と花柄の帯

帯は着物同様に生地によって「格」が変わることはご存知でしょうか?

帯の種類と格では、帯の形での「格」について説明しましたが、着物も帯も生地によっても「格」が変わってきます。

着物の世界って様々なもので「格」を決めているんです!

織りの種類はたくさんありますが、ここでは9種類の織りの帯とその「格」について分かりやすく説明します。

目次

織りの帯の種類を勉強しましょう

織りの帯とは、正倉院模様・有職模様という格調ある模様を金糸銀糸を織り込んで作られており、フォーマルシーンで着用する帯のことを織りの帯と呼んでいました。

現代では、織りの着物の生地から作られたものや、自然繊維から織られたものなどが作られており、カジュアルシーンでも着用されるようになりましたね。

そのため、生地により着用できるシーンが分けられ「格」が決められてきたそうです。

また季節によっても生地が変わります。

織りの帯の種類と格について

織りの帯は、

一番格の高い「礼装」

次に「準礼装」

その次に、おしゃれ着・普段着用に分けられます。

礼装の帯は何?

「礼装」の織りの帯には、錦(西陣織)・佐賀錦・唐織があります。

それぞれ特徴を詳しく説明します。

錦(西陣織)

赤い鳥と緑色の鳥の絵柄の帯

「錦」は金偏に「帛(はく)」と書きますが、この「帛」は高級な絹織物を指しているそうで、金糸銀糸を織り込んだ高級な絹織物を表しています。

今は、金糸銀糸だけでなくプラチナを使っている帯もあります。

リリー

「錦」の帯とは高級帯の代名詞ともされている理由が分かりますね。

「西陣織」は聞いたことがある方が多いかと思います。

「錦」は中国から伝わり、日本の高度な技術も加わり、京都の西陣で多く作られるようになりました。

そのため、錦の織物を総称して「西陣織」と呼ぶようになったそうです。

佐賀錦

オレンジと金色の模様の生地
写真AC

「佐賀錦」は錦織と同じ「錦」ではありますが、日本で生まれました。

名前の通り、佐賀県鹿島市で生まれた織物になります。

錦織とは作り方も異なります。

「佐賀錦」は金箔銀箔を和紙に貼り、それを糸のように細く切って、絹糸と織り込んでできた織物だそうです。

熟練の技が必要になり、数多くは生産できない事は分かりますね!

唐織

人物とお花の模様の帯

「唐織」は名前の通り、中国の唐から伝わりました。

錦織とは異なり、模様の色糸が刺繍のように見えるのが特徴です。

華やかな「唐織」は大名家の能装束に使われていたそうです!

準礼装の帯は何?

準礼装には綴織りがあります。

綴(つづれ)

ベージュ色の綴れ帯

「綴」は最も古い技法だそうで、手織りの最高峰と言われています。

織り手の爪の先をギザギザにしたり櫛で、緯糸(よこいと)をかき寄せて織る本綴「爪綴」と呼ばれる高級品があります。

「綴」は経糸(たていと)が表面に出ることがなく、裏地にも表と逆の模様が出るという特徴があります。

帯の整理をしていましたら、こんな帯が出てきました!
「綴」と「佐賀錦」の良いとこ取りのような帯です。様々な技法を取り入れた織りがあるのですね!
                     

おしゃれ着・普段着

おしゃれ着・普段着のカジュアルシーンには、博多織・紬があります。

博多織

白と青い色の博多帯

「博多織」は博多の商人が中国の宋で、技法を習得し日本へ持ち帰って織られたのが始まりだそうです。

「博多織」は細い経糸を密にし、そこに太い緯糸を打ち込み、経糸を浮かび上がらせて模様を作っています。

糸を強く打ち込んでいるためとても丈夫で張りがあるのが特徴です。

「絹鳴り」という博多織の帯を締める時に「きゅきゅ」と絹糸が擦れる音がします。

この音がする博多織は、着物愛好家にとても人気が高いです。

 「博多織」は丈夫で張りがあるので、帯の締めやすさ、扱いやすさは一番と言えるくらいオススメです!

蜘蛛の巣の柄の帯

「紬」と聞くと着物を思い浮かびますが、帯にも使われています。

帯に使うので、着物を織る時よりも太目の糸を使うそうです。

紬は先に染めた糸を使って模様を織りますが、先に織ってから染めることもあるそうですよ!

着物の紬同様に扱いやすいので紬もオススメです!

夏の帯の礼装は?

夏の帯には、絽・紗・羅があります。

礼装(夏帯)の帯は何?

紗(しゃ)

模様の入った紗帯

「紗」とは全体的に隙間があるのが特徴です。

6月〜9月の暑い日に着用しましょう。

袋帯と名古屋帯があります。

金糸銀糸の入った袋帯は礼装用の帯として着用します。

絽(ろ)

白地の絽の帯

「絽」とは絽目(ろめ)と呼ばれるシマシマに透ける部分があるのが特徴です。

紗同様に6月〜9月の暑い日に着用しましょう。

金糸銀糸の入ったものは礼装用として着用します。

おしゃれ着・普段着用(夏帯)

羅(ら)

模様の入った羅の帯

「羅」とはレースのように全体に紗よりも大きい隙間があるのが特徴です。

羅は帯芯を入れないので、とても通気性がよく、紗や絽よりも涼しく締められます。

この帯は礼装用には向いていないので、カジュアルシーンで着用しましょう。

「羅」は中国では小動物などを捕獲する網を指す文字だそうです。

※夏用の帯はどれも隙間があり通気性が良く見た目にも涼しそうですね!

まとめ

同じ織りの帯でも、「格」があるのがお分かりいただけたかと思います。

また「染めの着物に織りの帯」という言葉を耳にした事はあるかと思います。

この言葉の染めの着物とはフォーマルシーンで着用する留袖・訪問着などの後染めの着物です。

ではこの言葉の織りの帯とは・・?もうお分かりになりますね!!

織りの帯ならなんでも良い訳ではなくて、礼装の格である、「錦」「佐賀錦」「唐織」のことを指しているのですね!

「格」が分かると、言葉の意味などが分かってきますね!

着物の格についても、着物の格の見分け方!で説明していますのでこちらも是非参考にしてみて下さいね!

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