日本の伝統文化では「左」が格上とされていることが多いのですが、
着物の世界でも「左」が優位になります。
今回は、左が優位の着物の着用時の注意点についてご紹介します。
覚えておくと便利ですよ
そもそもなぜ左が優位なの?
日本の伝統文化では「左」が格上とされていることが多いのです。
例えば、歌舞伎でも舞台に立っている人からみて左が上手、右が下手になります。また役者さんが通る花道がありますが、花道は舞台にたっている人から見て右側つまり下手にあります。それは、役者さんが登場するのにバタバタとしてゆったりと鑑賞できないことから、花道は下手にあります。
では何故、「左」が優位になったのか気になりますよね!「右」が優位でも良かったんじゃないかなと思いますよね!?
左が優位になった理由は、
伊勢神宮の主祭神である天照大神は太陽の神、そして天皇の子孫とされていますね。
天皇は南を向いて座ります。
そうすると左が東になり太陽が昇る方角になります。
尊い太陽が天皇の左から昇るため、「左」が神聖なものとなったそうです。
このことから諸説ありますが、「左」が優位になった理由とされています。
着物も「左」優位!
着物の世界でも「左」が優位になります。
例えば、
着物を着用する時ですが自分が下を向いて右側が下、左側が上になる様に着用します。
ここを間違えると、とても恥ずかしい思いをしますので覚えましょう!
左を優位にする着方には、ややこしくなってしまいそうな着物の専門用語での言い方があります。
「右前」と「左前」
着物の正しい着方である、自分が下を向いて右側が下、左側が上にある事を「右前」と言います。
えっ!!左が上なのに「右前」なの??
とてもややこしいのですが、「右前」の「前」には「先」と言う意味になり、右側を先に合わせ、次に左側を合わせるという事なのです。結果、左側が上になっていますね。
では「左前」はというと、右前の逆で「左」を先に合わせ、次に右を合わせる。結果、右側が上にくる着方です。
男性は女性の逆?「左前」?
Yシャツは男性と女性ではボタンの位置が逆になりますが、着物では男女共に左側が上になる「右前」になりますので間違えないでくださいね!
着物で右側を上に着用する「左前」の着方は、亡くなった人に着付ける時ですのでよく覚えておいてくださいね!
覚え方
右手を利き手とする方が多いので、
着物を着用する時は、利き手(右)が襟もとに入ると覚えておくと良いですよ!
私も着物を着用する時には必ず右手を入れて確認しています。
和装小物も「左」優位に!
前途した「右前」の着付けは皆さん間違えないように着用している方がほとんどなのですが、実は和装小物にも「左」優位があるのです。ここは見落としがちで、知らない方が多い様なのでよく覚えておいて下さいね!
帯揚げ・帯締め
帯揚げと帯締めですが、1色の場合と左右分かれた2色のものがあるかと思います。
1色の場合はそのまま今まで通り結んで大丈夫です。
問題は左右に分かれた2色使いの帯揚げ・帯締めです。
皆さんなんとなく結んでいるかと思いますが、色の濃さに注意してください!
色の濃いものが優位つまり、色の濃い方が左側にくるように結びます。
これを知らない方が多く、某着物の雑誌でも色の薄い方が左にきている事がありました。
上記の画像をよく見て下さい左側の帯締めの方が濃い色になっていますね!
もちろん、絶対的な着物のルールなんて無いし、好きな様に着物を着こなす事が一番だと思いますが、正式な場面や着付けに厳しい方々とお会いする時には、守っておいた方が恥をかかずに済みますよ!
お着付けの先生方とお会いする時は、怒られないかといつも慎重に着付けをしています!
まとめ
「左」が優位になる理由や着物を始め和装小物も左が優位になる事をご紹介しました。
着物は洋服と同じで自由にアレンジを楽しむ事はいい事だと思いますが、着物のルールを知っておくと、恥をかいたり、注意されて不快な思いをする機会が減るかと思います。
知っていてあえてやるのと、知らないでやるのとでは違いますので、細かなルールも頭の片隅に入れて着物ライフを楽しみましょう!!